老年期(65歳〜)統合と絶望  表紙に戻る
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生きてきた人生を「自分の人生」として受け入れる。

これが達成できないと死に対して恐怖を感じ絶望する。

老年期に入ると、「自分を受け入れ、これから来ようとしている死と向き合う」ことになります。
これまでの発達課題をクリヤし、自分なりの生活を送ってきましたが、まず、これまでの人生の受け入れをおこないます(統合)。
自分の主観的な感覚です。
ですから、社会的に成功しているからといって統合できるとは限りません。
統合も年齢差はあります。まだまだ動ける人、入院したりしている人など様々です。
人生の終わりが近づいていることを自覚し始めると、これまでの人生の点検作業に入ります。

自分の人生には何かしらの意味があった」などと肯定的に捉えられるかがポイントになるのでしょう。

すばらしい人生であった」と思える人はどのくらいいるのでしょう。本人の中にしかありませんから、正直わかりません。

すばらしい人生と思えれば、「死」に対してそれほどの不安や恐怖は伴いません。人生のつまづき、やり残したこと、後悔するなど感じているときは、「時間がない」「死にたくない」などという絶望感に襲われると言われています。「死」に対する恐怖や絶望感が日に日に増していくことになるでしょう。身体的・精神的・社会的にも衰え、失われてゆくものが多く、死の恐怖におびえたり、意固地になったり、人嫌いになったりもします。

「 死の受容 」

多くの人が知っていると思います。しかし、あくまでも説であって、本当にその人に当てはまっているものとは限りません。
死へのプロセスとしてこのような諸段階があるということを知るということでいいと思います。

キュブラー・ロスが提示した死へのプロセスは、各段階の概念は別にして、死の瞬間までの生を考える上では意義のあることです。キュブラー・ロスが『死の瞬間』で分析したような「死のプロセス」という考え方が意味を持つものとなります。

キュブラー・ロスは、人間が死に至る過程を、

否認、怒り、取引、抑鬱、受容の5段階に分けて分析しています。

アルフォンス・デーケンは、臨床的な体験から、この5つの段階に加えて、
さらに「希望と期待」の段階があり、死後の永遠の生命を信じる人は永遠の未来を待ち望みつつ死を迎えることができることを指摘しています。

キュブラー・ロスに代表されるような死のプロセスへの精神医学的な分析や現代の「死の知覚運動」を初めとする死への関心の高まりは、厳密にいえば、「死の受容」そのものではなく、「死に至るまでの生の受容」と言えるのでしょう。