神経伝達物質の種類 まず、神経の情報伝達を説明すると、神経と神経の間には1/10000ミリ 程度の隙間があり、その隙間に神経伝達物質という物質が放出されることによって、 情報伝達が行われ、その神経伝達物質は数十種類存在するといわれております。作用機構も多種多様である。 以下に、その主なものを列記します。ただし、脳科学はまだ未解明の部分が多いですから あくまで参考にということで


1,アミン:神経での情報伝達、命令を行う。
腸から吸収されたタンパク質が体内酵素で分解されペプチドとなり、
ペプチドが更に体内酵素で分解され、アミノ酸となる。
これが更に体内酵素で分解されたものがアミンである。
主に脳内での神経のシナプス間隙中で情報伝達する役目を果たし
アミンの生成には様々なビタミンやミネラルやタンパク質が必要であり、食事などで補う必要がある。
代表的なアミンとしてドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニンなどがある。

2,ホルモン:血液などで循環し体内の細胞へ情報伝達、命令を行う。
ペプチドであり、脳内視床下部や脳下垂体、、副腎髄質、副腎皮質、甲状腺などで分泌される。
代表的なホルモンとして黄体化ホルモン放出ホルモン、甲状腺刺激放出ホルモンなど活力や元気、
性欲や性サイクルなど多くの作用を有するホルモン。
副腎皮質刺激ホルモン、副腎髄質刺激ホルモン、膵臓で分泌されるインスリンもホルモンの一種である。
それらの情報伝達で副腎では副腎皮質ホルモンや副腎髄質ホルモン、甲状腺では甲状腺ホルモンが分泌され
体内の細胞活性や気力など多くの作用を生み出している。





3,ド-パミン:A7からA16神経で分泌され、快感、覚醒、興奮に関係する。
特にA10神経は快感に大きく関係するといわれている。
A9神経の不活性はパ−キンソン氏病に、前頭葉および即頭葉投射の神経
の異常は、攻撃性性格、統合失調症や多動症に関係するといわれている。
体内ではアミノ酸のフェニールアラニンから快感物質チロシンが生成され
チロシンから更にLドーパが生成され、更にLドーパからドーパミンが生成される。
パーキンソン氏病は脳内の黒質でドーパミンを生成できなくなるため、
ドーパミンの材料のLドーパを補給する方法が採られていた。
ここで重要なことはLドーバまで分子が小さくなたないと血液脳関門という
脳内バリアーを突破できないことにある。

クロールプロマジン系(統合失調症改善薬)
ドーパミンD1,D2受容体に結合する。次に開発されたハロペリドールはD2受容体
に結合する。D2受容体は運動に関係するため、大脳基底核を阻害するため、
運動障害が生じる。次に開発されたクロザピンはD4受容体に結合するが、
D4受容体は大脳基底核には少ないが、前頭葉、扁桃核等の情動に関する部位に
多いため、これらが障害される。




4,ノルアドレナリン:基本的に脳を覚醒、活性化する物資である。
視床下部を原点とする自律神経のうち交感神経で作用する。
A4からA6神経で分泌され、A6神経の過剰分泌で不安症やパニック発作や恐怖症に関係するといわれている。
交感神経の伝達物質のため心臓の拍動を増加させ、呼吸数増加、消化、排泄、発汗抑制作用を有する。
ノルアドレナリンが脳内に少なくなると睡眠障害が生じる。また、
うつ病になると眠りについてすぐレム睡眠が起こる。
(鬱病治療薬)
ノルアドレナリンのみを選択的に再取り込み阻害し、シナプス間隙内でノルアドレナリン濃度を
増加させる。
 脳内での生成過程は前述のドーパミンを材料にノルアドレナリンが生成され、ノルアドレナリンから
更にアドレナリンが生成される。
ただノルアドレナリンの生成にはビタミン類も必要である。ことにビタミンCが必要と言われている。





5,セロトニン:B1からB9神経で分泌され、心自体の安定に関係する。また、血液にも存在する。
セロトニン作動性神経も複数のサブタイプが存在し、作用が逆の場合がある。
一般にセロトニンの量が減少したり、セロトニン作動性神経の不活性は衝動的、
自殺、攻撃性、気分障害、を引き起こすといわれている。
また、うつ病、強迫神経症に大きく関係する。
睡眠に関してはセロトニンが脳内に多いとノンレム睡眠が多く、深い眠りができ夢の量が少ない
といえそうだ。逆にセロトニンの量が減少してくると、レム睡眠が多くなり。浅い眠りが増え
夢も多く見るようになると考えられる。
 また、セロトニンは食欲にも関係する。鬱病の人がある種の抗鬱剤を使用すると脳内のセロトニンが
増加し、うつ症状が改善するが食欲増進を訴える者が多い。
これは、セロトニンが摂食中枢を刺激するためと考えられる
したがって、セロトニンが多いと肥満の治療の応用に役立つことも考えられる。 
セロトニンの減少は鬱病、不安症、心配性で敏感で拒絶恐怖を伴う。
循環器系では血管壁を収縮させて、血圧を上げる。

セロトニンの受容体は1〜7まである。
  S-1Aにセロトニンが結合すると忍耐力や活力が増す。
 S-2Aでは鬱病となる。
 S-2Cでは満腹感が得られる。
抗ウツ剤でセロトニンに作用するものは、2Aと2Cのセロトニン量
を減らすため、ウツは改善されるが、いくら食べても満腹感が得られぜず、
太ってしまう。1Aでセロトニンが減少すると衝動的で暴力的でまた、
憂鬱となる。つまり、自制心がなくなる。

SSRI(選択的セロトニン阻害剤):鬱病や強迫神経症の治療に用いるが効果が現れるまで2,3週間必要。
シナプス間隙内でセロトニンのみを選択的に再取り込み阻害し、セロトニン受容体を増加させる結果
セロトニンの作用を増加させる。

体内でのセロトニンの生成過程は、タンパク質を摂取後に肝臓の酵素でアミノ酸(トリプトファン)になり、
トリプトファンからセロトニンに合成される。
セロトニンは更に5−HIAAと松果体で睡眠物質メラトニンが生成され、血液循環で体に送られる。
したがって、トリプトファンを多く含む食べ物が精神状態や睡眠に関係していると考えることができる。
セロトニンの生成にはトリプトファンのみが原料とはならない、ビタミンB1、B6などことに
ビタミンB系列も必要でり、神経の働きを正常にするにはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルも必要である。


6,アセチルコリン(副交感神経の伝達物質)
心臓の収縮を抑制する。消化管と骨格筋では逆に収縮をおこさせ、
消化管の活動を高める。

コリンエステラ−ゼ
アセチルコリンを分解する酵素で、サリンはコリンエステラ−ゼの働きを阻害する。
よって、副交感神経が過剰に刺激され、心臓が停止し、骨格筋は緊張状態となり死に至る。

アトロピン.スコポラミン
アセチルコリンの受容体結合を阻害する。その結果、副交感神経と拮抗状態がくずれ、
交感神経の伝達物質であるノルアドレナリンが優勢に機能する。

メスカリン
ノリアドレナリンの受容体に結合し、刺激増強作用し、幻覚を生じさせる。

ニコチン
アセチルコリンの受容体への結合を阻害

ムスカリン
アセチルコリン受容体に結合し、作用が増強され、副交感神経過剰興奮により、
死に至る場合がある。(サリンと同じ作用)

カテコ−ルアミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン)の総称

インドールアミン(セロトニン)

アセチルコリンの受容体にはニコチン受容体と
ムスカリン受容体があり、全部で4種類ある。
そのうち、ニコチン受容体は1種類、ムスカリン
受容体はM1,M2,M3と3種類ある。
ここで、心臓に存在するのはM2受容体であり、
腸管に存在するのはM3である。
アセチルコリンがM2と結合すれば、細胞機能が
抑制され、M3と結合すれば促進される。


たばこ
ニコチンはGABA神経を刺激し、神経興奮の抑制
機能を増強させるため、一時的に不安と恐怖感を取り去る。
また、快感神経と側坐核(能動衝動脳)を一時的に賦活する。
しかし、ニコチンは喫煙に頼るため、喫煙が多くの疾病の原因に
なるためそれが問題である。


7,コカイン(麻薬)
モノアミンすべての再取り込み阻害の結果、快感神経の過剰興奮を生じさせる。

エフェドリン
ノルアドレナリンの過剰から交感神経が興奮し、
気管支拡張により喘息に効果あり。
アンフエタミン:エフェドリンの改良により登場
神経末端からドーパミンとノルアドレナリン、
セロトニンを過剰放出、これによって多幸感、
ナルコレプシー、風邪や喘息に効果がある。
しかし、中毒が強く精神分裂病、偏執狂、パラノイアとなる。

8,アルコール、ニコチン、マリファナ(麻薬)
側座核でのドーパミン増加作用、抑制系神経であるGABA神経に作用し、
不安を取り去るが、ことに大脳新皮質の活性を奪うため、判断能力が落ちる。

9、イプロニアジド
MAO(マオウ:モノアミンオキシターゼ)を阻害して、モノアミンの濃度を保持する。
モルヒネ(アンタゴニストとしてナロキソンがある。)

MAO(マオウ:モノアミンオキシターゼ)
 脳内のアミン類(ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン)の
作用するシナプス前膜でそれらアミンを分解する酵素。
イプロニアシド(マオウ阻害剤)


10,脳内麻薬(脳内でつくられる無毒の快感物質)
エンケファリン、βリポトロピン、βエンドルフィン、ダイノルフィンに作用し苦痛を中和する。

11、線状体
ドーパミンによって、細やかな運動の調節を行っている。線状体で、
ドーパミンが不足するとパーキンソン氏病となる。


11,薬の耐性の原因
1.マオウの活性が高まり、すぐ分解される。
2.シナプス後膜における受容体の数が減少するため。


12、イミプラミン(2,3週間は効果なし)
モノアミンとアセチルコリン、ヒスタミンの再取り込み阻害


13,抗ヒスタミン剤は眠気を催し、気分安定とショック症状の緩和、
不安や恐れの緩和にも役立つ、一般的に花粉症などの薬にも使われる。

14,クロールプロマジン:抗ヒスタミン剤を改良しつくられた古いタイプの精神分裂病治療薬。
現在ではそれらをヒントに多くの種類の抗ドーパミン剤が製造され
ドーパミンの過剰分泌が原因とされる統合失調症の興奮時の鎮静、幻覚、妄想を改善する。

15,LSD(リゼルギン酸ジエチルアミド)(麻薬)
血管の収縮で血行障害、幻覚が生じる。これは、セロトニン
受容体を刺激するため。

16,レゼルピン
モノアミンを減少させ欝と自殺に関係する。また、血圧も降下する


17,エストロゲン(女性ホルモン)が減少すると、セロトニン1A受容体の数が
減少して、衝動的で攻撃的になる。
女性が減量などを行うと、エストロゲン生成に必要な体脂肪が減少し、
セロトニン1A受容体が減少し、攻撃的で衝動的になる。
セロトニン合成阻害剤(パラクロロフエニルアラニン:PCA)を与えると
眠らなくなる。
眠りについてすぐレム睡眠が起こる。
2受容体を阻害するリタンセリンを用いると、ノンレム睡眠が増える。
1A刺激またはプロザックにより、脳内のセロトニンを増やすと元気が良くなり覚醒する。
また、ノンレム睡眠が増えレム睡眠が減少する。
うつ病では、1Aの刺激が少なく、2Cの刺激が多い。よって、2Aが優勢と
なり憂鬱で2Cにより、食欲が減少する。


18,プロスタグランジンは痛みを引き起こす物質である。また、
トロンボキサンとなり、血栓や心筋梗塞の原因となる。
プロスタグランジンはアラキドン酸に体内酵素が作用して作られる。
プラスタグランジンを生成する酵素の働きを阻害する働きをするのが
鎮痛薬や頭痛薬に含まれるアスピリンである。
このアラキドン酸であるが、魚類以外の動物の肉の膜に多く含まれている。
最近の欧米食事傾向の日本ではアラキドン酸を多く摂取しすぎていることも
問題だが、アラキドン酸はやる気のもとをつくるホルモンや脳内物質の材料
でもあるので、いちがいに悪いとは言いがたい。

アスピリン(アセチルサルチル酸)は鎮痛作用がある。その原因は、
アスピリンがプロスタグランジンを作るための酵素を阻害するからである。
また、トロンボキサンの生成を抑え、血栓の生成も阻害する。

クロザピン
セロトニンの2A受容体の阻害剤である。
うつ病の人は常にコルチゾルのレベルが高い。つまり、コルチゾルは2A受容体
のセロトニン量を増やし、鬱状態となる。

アルツハイマは前脳基底部ののノマイネルト神経核が死滅する。
この神経核からアセチルコリンがでる。

アデノシン(窒素化合物を伝達物質としている神経)
アデノシンはドーパミンやノルアドレナリン等の興奮性の伝伝達物質の放出を抑える。
カフェインはアデノシンの作用を抑えるため、不安障害が生じることがある。

グルタミン酸の受容体は4種類存在する。
NMDA(Nメチル−Dアスパラギン酸)1種類と非NMDA3種類
グルタミン酸は海馬での記憶形成に重要である。しかし、グルタミン酸濃度が高いと、
神経細胞が死滅する。つまり、海馬の神経も死滅する。
この現象はNMDAを投与しても同様である。毒キノコなどによる痙攣はNMDA受容体の
過剰刺激による。また、活性酸素は神経末端からグルタミン酸を放出させ、
神経の興奮を生じさせ痙攣を起こさせる。

コレチストキニン(CCK)
胆嚢を収縮させるホルモンとして発見されたが、
最近の研究で、ドーパミンに対する拮抗作用、調節作用、摂食行動の抑制、血糖値の上昇作用、
記憶の抑制などに関係すると言われている。
脳内にも多くの場所に存在し、不安障害やパニック発作などに関係していると言われている。

フェニールエチルアミン
アミノ酸フェニールアラニンから合成され、統合失調症や攻撃性性格で分泌が増加しているといわれている。
チョコレートやある種の炭酸飲料などのウラの原材料名などを見るとフェニールアラニンが含まれていることがある。




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