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2時間目

簡単な回路

ここでは、ごく初歩的な回路の説明から良く使用する回路までの説明をします。




1.もっとも単純な回路

1時間目の最小回路で“接点とコイルが必要です”と書きましたが、常にランプを光らせたい場合はどうするの?
と言う事があると思います。その場合でもコイルだけでは回路が成立しません。やはり接点とコイルが必要になります。その時の事を考えて、PLCには”常時ON”と言う接点(特殊補助リレー)が用意されてます。メーカー、機種によって異なりますが、今回は、三菱製FXシーケンサーで説明したいと思います。FXシリーズでは、M8000番がそれにあたります。この他にも”常時OFF(M8001)”、”イニシャルPLS(M8002)”、”1秒クロック(M8013)”等があり、いろいろな時に使えますのでチェックして置きましょう。(詳しくは各PLCのマニュアル、“特殊補助リレー”を参照ください。)

また、上記回路を使えば、“センサー入力時にパイロットランプを点灯させる”と言う回路は下図の様に考えることが出来ます。


2.自己保持回路

ここからが、本格的な回路になって行きます。これが解ればごく単純な装置(システム)は出来てしまうかもしれません。
自己保持回路とは
”ある入力(複数個の入力を含む)に対してその1回でも入力があれば出力コイルの接点を使用して、その入力がOFFしても出力し続ける回路
になるのかな?
?がついた理由は、出力し続ける回路を切る(OFFにする)接点を含める回路までを、自己保持回路と言うのか定かではないからです。後者を含めて考えないと実用的にはあまり使えない回路になってしまいます(あくまでも、”あまり”です)。

上記回路が出力し続ける回路を切る接点がない回路です。ここで、動作の順序(1時間目の2.動作順序参照)をおさらいしながら動作の確認したいと思います。

まず、運転P.BがONします(@)。次にPLCが確認しに行くデバイスはY1の接点です(A)。ここの段階(スキャン)ではOFFです。次にBのY1のコイルの番ですが、@の接点がONしているのでBのY1はONします。


次のスキャンではこの状態です。この状態がしばらく(数スキャン)続きます。
コイルY1(B)が前のスキャンでONしているのでAのY1の接点もONします。

運転P.BがOFFしても(@がOFF)、次にPLCが見に行くデバイスは動作順序のAの接点Y1です。この接点は、この時点では前のスキャンのコイルY1を継承しますので、前のスキャンのコイルY1の状態はONなのでBのコイルY1はONし続ける。これで自己保持の完成です!

と、簡単に書いてしまいましたがここがすごく重要です(PLCラダーの特徴です)。

デバイスの状態の変化するタイミングは、そのデバイスのコイルの処理が完了してから変化する。すなわちコイルの処理が完了するまでは前のスキャンの状態のまま処理される

と言うことです。この、処理される順序を理解していないと小学校は卒業できません!!
ラダーを作る上で常に気にしないといけない重要な事項です。(校長も今も、いつも、いつも気にしてます!)


2−1.自己保持回路(切るデバイスあり)

最初に書いたように、上記回路に自己保持を切るデバイスを追加します。
上記項目を理解したと考えて簡単に説明します。(もし、理解していない場合はもう一度読み直してください)

X1(停止P.B)はプログラム上ではB接点を使用しているので上記回路に追加しても状態は変化しません。

停止P.BをONすると、このスキャンで(コイルY1以降)自己保持が切れます。

次のスキャンでは接点Y1もOFFになります。

これが自己保持回路を切るまで含めた回路です。
今回は運転P.B、停止P.B、運転メモで回路を組みましたが、“運転P.B、停止P.B、運転メモ”を“上限センサー、下限センサー、排出ポンプ”と置き換えると、これだけでタンクに溜まった液体を排出するシステムが出来上がります!!

これさえ解ればあなたもラダーマンの仲間入りです。これから技術者として認められるかはあなたの発想力次第です。
と、冷たいことを言ってしまいましたがこの回路は非常に多く、また形を変えて(この回路をベースに)使用しますので、動作の順序とこの形だけは必ず覚えるようにしてください。(小学校の九九みたいな物だと思ってください)


そこで、もう少しこの回路について考えて見ましょう。
下記回路は上記回路と同じような動作をする回路です。違い、問題点を少し考えてください。
それから下のコメントを読むようにしてください。

どうでしょうか?なんでも良いから考え付きましたか?
まずはじめに、“違い”から説明します。”同じような”の理由は状態が安定している時には同じ動作をします。状態が安定しているとは
”上限センサーと下限センサーは同時にONしない”
です。この状態では、2つの回路はまったく同じ動作をします。
しかし、状態が安定してい無い(上限センサーと下限センサーが同時にONした)場合はどうでしょうか?
上の回路では排出ポンプY1は動作しません。しかし、下の回路では排出ポンプY1は動作します。
この違いがみなさんは解りましたか?

プログラムを作成する時は安定時の動作で考えて行きますが、もし、異常があった場合(この場合センサーが同時にONする)のことも考えながらプログラムは作成しなければなりません。


そんなの屁理屈だ!、俺のセンサーはそんな事は絶対にありえない!
っと、いう方がいる?かも知れませんので、
そうです!センサーは壊れない!完璧です!!
という場合でも、残念ながら、この回路はお勧めできません。その状況でもやってはいけない回路です。



2−2 自己保持回路(補足) ※重要

上記やってはいけない回路の理由を説明する前に、上記回路に自動運転中(M0)ではない時に、手動P.B(X10)が押された時にも排出ポンプが動作する。(下限センサーの入力で停止する)と言う回路を追加するとします。回路はこうです。

えっ、ふつうジャン!と思うかもしれませんが、それは今までの説明があるからです。いきなりこの回路を見せられた時に
“この回路は何が動作条件(運転を開始する条件)であって、何で動作が終了するのか”
が一見しただけでは理解できません。これが、1時間目に書いた”自由がゆえの不自由さです。動作条件と終了条件を同じ並び(同じような場所)に配置しても、問題なく動作するが他人が見ると解らない・・・。と言う状態です。
この社会にも違法ではないがモラルがあります。(最近モラルがあるのかないのか・・・)それと同じように法律の少ないラダーにもモラルがあります。
ラダーのモラルとは、“見た時に解りやすく書く”に尽きます。何が解りづらい(見づらい)かをこれから紹介していきます。

それでは、上の回路を修正しましょう。もう、お解かりとは思いますが、B接点X1の位置を変更します。

変更場所はここです。
この赤丸で囲んだ部分には、動作を終了させるデバイスを記入します。この他にも自己保持回路において2点ほどモラルがあります。左の回路が悪い回路、右が修正した回路を示しますのでご確認ください。


2−2(1)自己保持用接点位置

問題点
・自己保持用の接点が2行目にある。
修正ポイント
・赤丸で囲んだ部分(上から順)に動作条件を記入し、一番下に自己保持用の接点(青丸の部分)を記入する。

これは、動作条件が2つぐらいならなんて事は無いのですが、もっとたくさんになった時にORで動作するのか、自己保持回路なのかが解りづらくなるからです。(参考図を表示すると縦長になってしまうので省略します)
デバッグの時等で動作条件を追加する時でも、とにかく自己保持用の接点は一番下に記入するようにして下さい。




2−2(2)自己保持用コイル位置

問題点
・自己保持用コイルが2行目にある
修正ポイント
・自己保持用コイルは一番上(赤丸の部分)に記入する

自己保持用コイルは必ずその回路の一番上の行に記入するようにして下さい。その他の動作、命令は2行目以降に追加するようにしてください。




2−2(3)自己保持回路におけるモラルのまとめ

・赤丸には動作条件を記入する
・青丸には自己保持用の接点を記入する(一番下)
・黄丸には自己保持回路を切断する接点を記入する
・緑丸には自己保持用コイルを記入する(一番上)


しつこいようですが、この自己保持回路は非常に多く使われる回路なので、上記条件(モラル)を必ず守るようにしてください。


2−3.セット優先自己保持用
(追記)

今までの自己保持回路の説明はリセット優先自己保持回路と言います(停止条件が”ON”している時は動作条件が入っても動作しない)。この他にも、セット優先自己保持回路と言うのがあります。一度出てきているのですが、その時は、”やってはいけない回路”(それも、赤太文字)と紹介してます。

これです。
先ほども説明しましたが、この回路は絶対にやってはいけません!しかし下記回路はどうでしょう

動作条件の”上限センサー”の変わりに、”運転P.B”を配置しました。この動作は”運転P.B”が押されたら”下限センサー”が”ON”するまで排液をし、また”運転P.B”を押している間は常に(下限センサーが”ON”していても)排液をします。この回路は、タンク内の液体を完全に排出したい時などに使われます。人が操作する事で装置の安全が確保されるためこの回路は”やてはいけない回路”には当たりません。

(校長は、多分使った事がない・・・)



3 オルタネイト回路
(フリップフロップ)


オルタネイトとは、ある入力条件が入るたびに出力状態(ONかOFFか)が変化する回路です。スイッチにもモメンタリ、オルタネイトがあります。モメンタリスイッチは押してる間だけ出力を出すスイッチで、オルタネイトスイッチは一回押せばONを出力し続け、もう一回押せばOFFになり続ける事を繰り返すスイッチです。ラダーとは直接関係ない話になりますが、この、2つのスイッチの使い分けは重要です。
例えば、ポンプの運転させる回路を考えた時、モメンタリスイッチを使用して回路を作成すると自己保持回路の説明と同様に動作を終了させるスイッチが必要になります。要するに、ONスイッチ、OFFスイッチが必要になると言うことです。しかし、オルタネイトスイッチを使った場合は一つのスイッチでON、OFFを切り替える事が出来ます。
“じゃあ部品点数が減るし配線工数も減るからオルタネイトスイッチで行きましょう!!

っと、言ってはいけません。
手動操作にしろ、自動運転にしろ

“装置の動作開始の指令を出すのは人間ではなくてはならない”

からです!!
そこでまた、なんで??と、なるでしょう。
“だってスイッチを押さなきゃポンプは回らないのでしょ!モメンタリだろとオルタネイトだろうと同じじゃん”
そうです。通常状態の場合はその通りです。2−1で触れましたが、異常があった時の事を考えなければならないからです。何かの異常で装置メインブレーカがトリップした時の事を考えて見ましょう。オルタネイトスイッチの場合、メインブレーカを復帰したと同時にポンプが運転します。意図としていない動作をする可能性があるのです(非常に危険です!)。近くに何らかの装置があるならば、見てみてください。オルタネイトスイッチはこういった場所では使われていないはずです。(あれば、それはもぐりです!)
モメンタリスイッチの場合は、ブレーカがトリップしたのと同時に自己保持が切れて、メインブレーカを復帰してもポンプが運転する事はありません。
このことを考えるとPLCに取込むスイッチもモメンタリスイッチが良いような気がしてきましたか?理由は同じで、オルタネイトスイッチだとプログラムが運転を開始した途端に出力が出る可能性があるからです。(校長もPLCに取込むスイッチは全てモメンタリスイッチです)
モメンタリスイッチを使うとなると、プログラムでオルタネイト回路を組まなくてはなりません。(だいぶ脱線しましたが制御屋の絶対条件だったから・・・)
リレー回路でモメンタリスイッチを使ってオルタネイト回路は組めません!!(校長は出来ませんでした。誰か出来る方がいたら教えてください)組めますが、部品点数が多く実用的ではありません。
しかし、PLCなら簡単に出来るのです!PLCにはPLS化という命令があるからです。説明する前にまず見て下さい。

これが、オルタネイト回路です。3ステップ目以降は自己保持回路と似ていますが、どこが違うか見比べてみましょう。動作条件接点M10の後にコイルY10のB接点が追加されてます。また自己保持用の接点Y10の前に動作条件M10のB接点が追加されてます。これだけで、オルタネート回路になってしまいます。
この回路の動作順序を文章で説明すると長くなってしまいますので、下図を参照しながら確認してください。

※[PLS M10]は命令です。簡単に説明するとX10がONの時、最初の1スキャンだけM10がONする命令です。


※状態表示の重要箇所は赤文字で記してます

簡単に説明しますと、

“ポンプ出力 OFF⇒ON”
ポンプ起動P.B(X10)がONすると1スキャン目はB、Cが導通して(状態表示の表、青文字)Fの出力がONします。次のスキャンではBのM10はOFFしているので、B、Cは導通せず、D、E側が導通して(状態表示の表、緑文字)保持します。

“ポンプ出力 ON⇒OFF”
D、Eが導通して保持をしていた回路のDのM10がONすることにより導通が途切れFの出力がOFFする。
と言う流れです。

オルタネート回路でも
動作条件、動作終了、命令の追加は、2−2(3)で示したような条件で追加する様にすると良いでしょう。


実は・・・オルタネイト回路において重要な事をあえて説明してません!
意地悪ではありませんょ。初心者のころは、うろ覚えでオルタネイト回路を書くと対外おちいるポイントだから、全体の動きを説明してからのほうが重要さが解ると判断したからです。(もう一回じっくり回路を見てもらえるかな・・・)

それでは、下記2つの回路の違いを考えて見ましょう

違いは1行目のM10が“[PLS M10]”か“(M10)”かの違いです。これが違うと何がどう変化するのでしょう?
どちらも、ポンプ起動P.Bが一回押されたらポンプが運転し、もう一回押されたらポンプが停止する。ように感じます。
しかし、右側の回路も出力がON,OFFはしますが、意図としていないON、OFFを繰り返します。また、ポンプがOFFの時に、P.Bを1回押しても(押して離す)必ずONになるとは限りません。(何を言っているのか解らないと思いますが)
違いが起こる理由として、

ポンプの起動P.Bが一回押された ≠ X10 が一回(1スキャン)ON 

だからです。要するに、P.Bが一回押された場合、X10は数スキャンに渡ってONし続けます。もう少し説明するとP.Bを一回(0.5秒)押すと、PLCスキャンタイムが100ミリ秒の時はX10は5スキャンに渡ってONします。
この時の出力(ポンプ出力)の動作は

このようにP.Bが押されている時間が0.5秒の時は運よく出力はONしますが、スイッチを押してる間中ON、OFFを繰り返し、P.Bが離れたスキャンの前の状態で出力状態が保持されます。(押されている時間が0.4秒の時の出力はOFFです)
この不安定な動作を安定させる為に“(M10)”を“[PLS M10]”に変更します。
こうすると

ポンプの起動P.Bが一回押された = X10 が一回(1スキャン)ON

になり、安定したオルタネイト回路が完成します。(動作はもう説明しませんよ)
確認の為にもう一度オルタネイト回路を表示します。また、最近接点の種類が増えて今まで説明した回路とは違うオルタネイト回路もありますのでそれも紹介します。(現在の主流は、今まで説明してきた回路ですが今後変わるかもしれません・・・?動作説明等は省略しますが時間があればメリット、デメリットについて考えてみてください。)




4.選択切替え回路

選択切替え回路とは、例えば、現在“100mm”と言う製品が選択されているとします。“150mm”と言うP.Bが押されると“100mm”の選択は解除され“150mm”が選択されます。また“200mm”と言うP.Bが押されると“150mm”の選択は解除され“200mm”が選択されると言った、複数の選択肢の中から一つだけを選択する回路のことです。
この回路は、2.自己保持回路を参考に簡単に作成することが出来るように思われます。しかしそのままでは確実な切替えは出来ません。そこで、確実な切替が出来ない理由、どうすれば良いのかを確認していきましょう。
まず、この回路を見てください。上記説明文では100mm、150mm、200mmの選択がありますが、下記回路では100mm、150mmだけの切替を説明しています。(選択肢が増えても基本は同じなので)


今、100mmが選択されているとします。ここで150mmのP.Bが押されると、@のX21がONするのでコイルY20の導通は切れて、Y20はOFFします。また、AのX21がONしますのでコイルY21がONして、150mmが選択されます。完璧です!!100mmの選択が解除され、150mmが選択されました。
では、この状態(150mmが選択されている状態)から100mmを選択する場合を考えて見ましょう。


100mmのP.Bが押されると@のX20がONし、コイルY20がONします(100mmが選択されます)。プログラムの流れは次の回路に移り、AのX20がONするのでコイルY21の導通は切れて、Y21はOFFします。150mmの選択が解除され、100mmが選択されました。・・・なんで、これを説明してるの??自己保持回路2個を並べただけで、動作だって問題ないじゃん!!っと思ってませんか?先ほども説明しましたが、常に異常のあった時の事を考えなければなりません。今回は、異常があったからと言って、危険な状態にはなりませんが問題箇所選定に時間が掛かる可能性があります。異常が起こりそうな物はP.Bです。P.Bは接点の溶着が考えられます。(そんなの屁理屈だ!!又は、ありえない!!と言う人は飛ばして呼んでください。上記回路で十分です。とにかく、手離れなの良い装置を作ると言う考えを持ってラダーを作成する上では、ほとんどありえないほんの些細なことでも気にしなくてはなりません。それには、制御屋として経験を積んで行くしか無いのですが・・・(このサイトはそんな皆様を手助けしていくつもりです。by校長)これを読んでる皆様は、これからそうなるようにがんばってください!!)
っと何かカッコ内が長くなってしまいましたが上記状態(100mmが選択されている状態で)、X20のP.Bの接点が溶着したとしましょう。そこで、ワークの変更で150mmを選択した時にどうなるかを見てみましょう。


@のX20が溶着してONし続けているので、Aの150mm選択P.Bが押されてもY21のランプは点灯することがありません。要するに150mm選択P.Bを押しても切替わらない。150mm選択スイッチの異常!となるのがメンテナンスをする人の考えです。しかし、異常なのは100mm選択P.Bです。上記ラダーがそういう風に判断させたのです。メンテナンスする人は150mmのP.Bを交換しても直らない!とラダーマン(制御屋)に連絡が来て対応を迫られます。こう言った事を解消するには、”必要としない回路(デバイス)がいつまでも影響を及ぼさないようにする”です。上記回路のB接点“X20”、“X21”は選択を解除するためだけに配置されてます。それが、いたずらしてメンテナンスを妨害する(惑わす)結果につながりました。これを解消するには、P.Bの接点ではなくP.BのPLS化した接点が選択を解除する接点に置き換われば問題がありません。それでは、PLS化(入力条件がONした時、1スキャンだけONする・・・立ち上がり微分)した回路を見てみましょう。

これで、X20の接点が溶着してもX21が押されるとちゃんと150mmが選択され、次に、100mmを選択した時に選択が切り替わらない、X20のP.Bがおかしいと!!となり、メンテする人も迷わず異常個所を特定する事が出来るようになります。

しかし、この回路は完璧ではありません!!くどいな〜またか・・・と思っている人がいるのではないでしょうか?では、どこが完璧ではないか考えてみてください。今までの授業をちゃんと理解していればこの回路の問題点が見えてくるはずです。
もし、この回路が完璧と思う方はもう少し授業にお付き合いください。ヒントはこちら(赤太文字)!!


それでは、解説します
今、100mmが選択されているとします(下記回路)。

この状態で、X21(150mm選択P.B)の入力が入ったとします。この時のプログラムの流れを左側の回路を1スキャン目、右側の回路を次のスキャンと言う様に下に表示します。ここまで来たら説明を読む前に少し考えて見ましょう。説明する順番に番号を振ってありますので、番号を参考に考えてみてください。

それでは、説明します。
X21がONすると言うことなので、このスキャンで@のM101がONします。AのM101の接点も“PLSM101”の次のステップなのでONし、BのY21(150mm選択ランプ)がONします。プログラムがここで終わっている場合はこの状態まま、出力処理されます。このスキャンではCのB接点M101はONしていません(@のコイルより前のステップであるため)。次のスキャンでは、Dの接点は前のスキャンの状態を継承する(AのPLSM101がDより後のステップにあるため)ので、前のスキャンのM101の状態はON、即ちB接点のDは非導通になります。よってEのY20(100mm選択ランプ)はOFFします。Fは”PLS M101”(立ち上がり微分)なので入力条件のX21がONしていても、このスキャン以降はONすることがありません(一回離してもう一回押せば別ですが・・・)。しかし、Gの接点Y21は前のスキャンの状態を継承しますので、導通状態となりコイルY21は自己保持を確立することが出来ます。ここで、初めてY20(100mm選択)からY21(150mm選択)の切替が完全に完了します。
問題点が解りましたか??
よく左側の回路を見てください。”切替えろ!!”と指令を出したスキャンでは”Y20”、”Y21”が共にONしています。完璧にな回路とは、切替えP.Bが押されたらすぐに(そのスキャン内で)、出力を切替えるです。この回路だと、切替えP.Bが押された次のスキャンで出力の切替が確立されます。これでは前記した完璧な回路とは言えません!それは、どうすれば完璧な回路になるのでしょう?・・・接点を追加する・・・
その必要はありません。素材はそろってます。余計なデバイスを追加することは避けるべきです(1時間目にも少し触れてます)。では、どうしましょう?・・・そうです、順番を入れ替えれば良いのです!!これが、ラダーの特徴です(”また”ですが参考に)。それでは、完璧な回路を紹介します。

赤線四角の回路を自己保持をする回路(コイルY20)より前に持ってきただけです。これで、完璧な回路が完成しました。
こうする事により同じスキャンで2つの出力が出ることがなくなります。1スキャンぐらい同時にランプが点灯しても問題ないじゃん!!(また、出てきた!ところで誰?)ランプの点灯だけなら問題ないのでは・・・。と言う方もいるかも知れませんが、校長は尻の座りが悪くいやです。どうせなら、ランプ点灯だけでも完璧に切替える回路のほうが良いでしょう。また、この回路の後ろに切替えたワークのデータを処理する(変更する)プログラム等があった場合は必ず、上記のような回路にする必要が出てきます(必要な状態はいろいろなケースがありますので、説明は省略します)。この、”切替えたつもり(切ったつもり)の1スキャンの同時ON(ON)”と言うのは思わぬ誤動作を招き、またデバッグの時にバグの発見を困難にしますので、理屈はどうあれ気を使う様にしてください。
とにかく、自分の考えた

“動作を確実にその回路、そのスキャンで完了させる


ように心がけてください。


皆様、お疲れ様です!!これで、2時間目の授業は終了です。この2時間目はラダーの基礎を紹介しつつ、制御屋として最低限必要な事(まだまだ、ありますが)も盛り込んで見ました。それゆえ、くどくなってしまったところがある事をお詫びします。



それでは、最後に問題を出したいと思います。(おさらい)


問題

遊園地にあるフライングパイレーツ(バイキング)を制御してみましょう!!(何それ??と言う方はPIRATを参考にしてください)

実際はもっと複雑ですが(本当の制御は知らないので・・・)、安全面を考慮しなければ下記図で動作すると思います。(あくまでも、今までの勉強の一環としての参考です)

全体図
@.かご(船体)を左右にゆするモータです。正転、逆転します(正転はかごが右に動作し、モータは右回転する。逆転時はかごが左に動作しモータは左回転するものとする)。インバータを使用しモータの運転を制御する。
A.正転時かご(船体)抜け確認センサー。かご(船体)がある時にONする。
B.逆転時かご(船体)抜け確認センサー。かご(船体)がある時にONする。

操作盤
C.運転停止P.B(運転時ランプ点灯の照光式押しボタンスイッチ)

その他
運転P.Bが押された時は、モータは正転運転から始まる。
停止は、ブレーキ等を使用しないで自然に止まるものとする。



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