ICG併用半導体レーザー療法について

●レーザー療法について

 

最新のレーザー療法について教えてください。

 

接触法と非接触法の利点を併せもった最新の治療法です。

痔の治療で用いられているレーザー療法は、次の2つに大別できます。

  • 1.痔にレーザー光線を発するチップが直接ふれて切っていく接触法
  • 2.痔には直接ふれず、レーザー光線を照射する非接触法

これらのレーザー療法には、次のような問題点があります。

接触法

レーザー光線をセラミックなどのチップに導き、そのチップをメスのように痔核にあてて切っていきます。医師が切りたい場所、切る深さを精密に測定できるのですぐれていますが、チップが熱によって折れやすいことが欠点です。

非接触法

レーザー光線を発するチップが痔に直接触れないため、チップがおれることはありませんが、痔に近づけてレーザー光線を照射するだけで、痔核とレーザーチップとの距離を一定に保てないので、どのくらいの深さまで届いて、患部を焼いているのかを正確に把握できないことが難点です。もし、痔核の下の肛門括約筋を傷つけてしまうと、肛門が狭くなったり、肛門の機能が低下する原因になります。

この二つの治療法の欠点をカバーした、新しい治療法が最近の学会で発表されました。

ICGを人体に注入して、レーザー光線をあてる方法です。

最新レーザー療法「ICG併用半導体レーザー療法」

最近、半導体を用いた新たなレーザー療法が研究、開発され、注目されています。

ICG併用半導体レーザー療法です。

従来のレーザー療法とICG併用半導体レーザーの療法の違いはこちら

 

内痔核にICG注入
内痔核にICG注入

ICG(インシド・シアニング・グリーン)とは、肝臓の機能の測定に用いる色素で、人体に注入しても無害な色素です。このICGにはレーザー光線を吸収する性質があり、これを利用することでレーザー光線の照射をコントロールして行うことができます。

まず、ICGを切除する痔核のみに注入し、その後、半導体レーザーを非接触法で痔核に照射します。ICGを注入された痔核はレーザー光線を強く吸収するので、痔核は十分に焼かれて切除できます。一方、痔核の下にある肛門括約筋は痔核に注入したICGによってレーザー光線が吸収されるために、レーザー光線から守られ、傷つくことがありません。

レーザー光線照射
レーザー光線照射

この方法は、接触法と非接触法の利点をあわせもち、しかも光情報伝達システムを応用した新しいレーザー療法といえます。

痔核を直接切開せずに、レーザー光線を照射するだけで切るために、出血や痛みが非常に少ない療法です。そのために入院日数も短く、5日間の入院期間で済む病院もあります。

なお、腰椎麻酔下でレーザー照射を行うため、また、照射後の最初の排便時の出血と疼痛をチェックするために、日帰り手術ではできない治療法です。

内痔核のみ消失
内痔核のみ消失

ICG併用半導体レーザー療法は重大な副作用もなく、また何回も照射できる利点のあるすぐれたレーザー療法ですが、欠点として、まだ非常に新しい方法なので症例数が少ないこと、10年間の経過観察がまだできていないことがあります。

その他にもレーザー療法の利点や欠点は色々ありますが、ここでは解説しきれませんので、詳しくは専門医を尋ねたり、解説書をお読みください。

専門医による痔の新しい治療法「ICG併用半導体レーザー療法」の解説はこちらをご覧下さい。

 

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